あ代数学の基本定理によれば、任意の複素数係数方程式は複素数の中に根が存在するが、
しかしながら5次以上の方程式には一般には代数的解法は必ずしも存在しない。
すなわち、一般の五次方程式に対して代数的な根の公式は存在しない。
もう少し詳しく書くと、5次の一般方程式の根を、その式の各項の係数と有理数の、有限回の四則演算及び有限回の根号をとる操作の
組み合わせで表示することはできない。
これはルフィニ、アーベルらによって示され、またガロアによって方程式が代数的に解ける条件が裏付けられている(ガロア理論参照)。
なお、代数的ではないが、楕円関数などを用いた根の公式は存在する。
5次方程式の解を超越的な手続を許して構成する方法としては、
の2つが知られている。 前者はエルミートによって、後者はクラインによって証明された
五 次 方 程 式 に は 代 数 解 が な い こ と の 証 明 は ニールス アーベル に よ つ て 証 明 さ れ て い る
さ ら に 、 ガ ロ ア は 群 集 合 の 概 念 を とりいれて 証 明 を 進 化 あ せ た
ガ ロ ア 理 論 と し て 知 ら れ て い る
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
● n 次 方 程 式 の 解
an xn + an-1 xn-1 + an-2 x n-2 + ・ ・ + a2 x2 + a1 x + a0 = 0
◆ 一 次 方 程 式 の 解 a x + b = 0 x = - ( b / a )
◆ 二 次 方 程 式 の 解 a x2 + b x + c = 0 x2 + ( b / a ) x + c / a = 0
平 方 完 成 の 形 に 変 換 し て ( xxx x ) 2 = 常 数 ( x + b/2a ) 2 = - ( c/a ) + ( b/2a) 2
c/a を等式の両辺から引く。すると次のようになる。
この二次方程式は平方完成が適用可能な形となっている。よって、等式の両辺に定数を足し、等式の左辺を平方完成とする。
これを変形する。
最後に、右辺の項を変形し公分母を得ることで、次の式を得る。
等式が平方完成された。等式の両辺の平方根を取ることで次の式を得る。
x イコールの形に直すことで二次方程式の解の公式を得る。
◆ 三 次 方 程 式 の 解 x 3 + a x 2 + b x + c = 0
展 開 式 は 省 略 型 に スキツプ し て あ り ま す
y = x + a / 3 x = y - a / 3 と 変 数 変 換 して
y 3 + p y + q ~= 0 と 変 形 する 立 体 完 成 x 2 の 項 が 消 え て い る
さらに 、 y = u + v と 変 数 変 換 し て
u 3 + v 3 = q 連 立 方 程 式 が 得 ら れ る
u 3 × v 3 = - p この 連立方程式 は 二次方程式 の 解 と 係数の関係式 と 同 じ である
従 つ て 、 ξ 2 + 2 q ξ + p 3 = 0 元 の 三 次 方 程 式 の 分 解 方 程 式
ξ は u 3 ・ v 3 な の で
u 3 = - q + √( q 2 + 4 p 3 ) u 1 u 2 u 3
v 3 = - q - √( q 2 + 4 p 3 ) v 1 v 2 v 3
y = u + v y 1 y 2 y 3
◆ 四 次 方 程 式 の 解 x 4 +a x 3 + b x 2 + c x + d = 0
四次方程式 の 解 の 公式 の 導 出 は 二次方程式 、 三次方程式 の 解 の 導 出 を 理 解 しておれば
容 易に 導 出 できる 要するに、変 数 変 換 し て
二次方程式 - A ) ×( 二次方程式 - B ) = 0 の 形 に す る 複 二 次 方 程 式
( 二次方程式 - A ) = 0 、 ( 二次方程式 - B ) = 0 の どちらかが 0 ならば
等 式 は 成 立 する ( 二次方程式 - A ) = 0 の 解 は 2 個 ( 二次方程式 - B ) = 0 の 解 も 2 個
従 つ て 、四次方程式 の 解 は 4 個 得 ら れ る
x
◆ 五 次 方 程 式 の 解
【 五 次 方 程 式 に は 一 般 的 代 数 解 は な い 】
こ れ を 証 明 し た の が アベール ( ノルウエー 19 世 紀 26 才 )
ほ ぼ 同 時 期 に ガ ロ ア ( 仏 19 世 紀 21 才 ) が 群 集 合 置 換 等 の 概 念 を 導 入 し て
さ ら に 、 進 化 させました 有 名 な ガ ロ ア 理 論 で あ る
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
そ の 他、 参 考 資 料
出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例
歴史的な流れでいうとガロアの少し前にアーベルによる研究がある。ただし、
アーベルの扱った問題はガロア理論の前座みたいな役割で取り上げるよりも、ガロア理論、楕円関数論、
数論の交差する問題(「クロネッカーの青春の夢」に至る問題)として扱った方がよいかもしれない。
目次から判断すると、デイヴィッド・A・コックス『ガロワ理論』の第15章「レムニスケート」が多分そのような内容。
ただしそれらが交差するというのはアーベルというよりもガウスの視点で、アーベルは数論的な面の研究はしていないみたい。
ガウスの円周等分方程式論は『数論研究』(1801年)の第7章に置かれその冒頭で楕円関数論の存在がほのめかされている
● 方 程 式 か ら ガ ロ ア 理 論
ガ ロ ア 以 前
ガロアが論文を書くより以前にラグランジュ、ガウス、ルフィニ、アーベルらの研究により、次のような結果が得られていた。
ここからさらに進んで、任意の方程式についての解の置換(=ガロア群)の性質を考察したのがガロアだった、という流れになる。
◆ 対 称 性 ( シンメトリー ) ◆ 間 奏: アーベル の 方 程 式 論 について
◆ 方程式 の 対称性: 2次方程式 の 場 合 ◆ 解 の 置 換 ( ガロア群 )
◆ 3次、4次方程式 の 場 合 ◆ 原始元 の 最小多項式 と 基本定理 の 証 明
◆ 5次以上 の 方程式 の 非 可解性 ( ルフィニ、アーベル ) ◆ 方程式 の 可 解 性
◆ 円周等分 方程式 ( ガウス ) ◆ 追 記: 方程式 の 可解性 の 概 要
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
★
● 五 次 方 程 式 は な ぜ 解 け な い Youtube 動 画 解 説
Youtube で ガ ロ ア 理 論 ( 五 次 方 程 式 に は 代 数 解 は な い こ と の 証 明) の 動 画 解 説 を
見 つ け ま し た
ガ ロ ア 理 論 は 難 し く て 理 解 で き な い が イメージ だ け で も わ か れ ば と 思 い
動 画 解 説 を 静 止 画 像 に 保 存 し て 並 べ て み ま し た
詳 し く は 五 次 方 程 式 は な ぜ 解 け な い を クリツク し て ご 覧 く だ さ い
以 下 の 画 像 は ガ ロ ア 理 論 が 理 解 しやすい ように 前 半 に 二次方程式 三次 の 解 の 説 明、
最 後 に 、 五 次 方 程 式 が 解 け な い 証 明 の 説 明 と な つ て い る
二 次 方 程 式 の
三 次 方 程 式 の 解
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
---------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------