未来のコンピュ−タ
* 量子 コンピュ-タ (あの世のコンピュ-タ) 97-3-19 読売新聞より
シュレディンガ-の猫の話で最近わかったことは、実は箱の中には 「生きた猫」 と 「死んだ猫」が
両方 いるとも考えられるということです.
これを 工学的 に応 用しようとして い るのがたとえば 「 量子コンピュ-タ 」 です.
量子コンピュ-タの 10 ビット は、従来型の コンピュ-タの 一億 ビット に相当します.
また、計算 時間 ゼロ とか、計 算に要する 電力 消費 ゼロ とか、夢のような話が 数 学 的 に
証 明 されています.
つまり、従来より何桁改善できる、といった話ではなく、天と地がひっくり返るほどの 新しい 概 念 です.
これは、決して 「オカルト」 ではないし、錯 覚 でもありません.
極 微の量子の世界 というものは、われ〜がおなじみの 「この世」 の常 識
はまったく通 用しません.
理 論の基になっている 「 因 果 律 」 そのものが成立せず、統計的な 「 量 子 学 」 のみが唯一の
理 論 的 なよりどころ になります.
ですから、私は 「 量子 コンピュ-タ 」 のことを 「 あの世の コンピュ-タ 」 と呼んでいます.提唱者のなかには
、 ノ-ベル賞を 受 賞した ファイマン の名もあり 理論的 検討 は進んできましたが、実現の 可能性 は
未 知 数 です.
いままで、 「 シュレディンガ-の 猫 」 を観 察しようとすると、何キロも ある巨大な 加 速 器 を使った
実 験 が必要でしたところが最 近、少し 展 望 が開けてきました.
次世代 DVD 用 として注 目を集めている 青 色 レ-ザ- を 実 現 するため
「量子化 井戸」 と呼ばれる 極 微 の 構 造 が 開 発 されたからです.そこには「シュレディンガ-の猫」が
確 実に住ん でいます.人 類が 「 あの世の コンピュ-タ 」 の設計をはじめるのは、それほど 遠い日
ではないかもしれませんね.
箱 の中に 猫 がいて、蓋を開けた 瞬 間に 生 死 が決まる としたら、
それ 以 前はいったい 生 きているのか、それとも 死 んでいるのか.
その状態が特定できない (確率 半々) という 問 題 が 「 シュレディンガ-の 猫 」 の話です.