★ 天文単位
天文学の世界ではスケールが大きすぎて我々が日常生活で使う単位 MKS
重 さ、 距 離、 時 間 の単位には一風変わった単位が用いられる。
天文単位 もその1つで惑星間との 距 離 を表すのに使われる。
1 天文単位 = 149.598.000 q ≒ 1.5 億 q = 1 AU です
★ 遠日点 近日点
遠日点 は 惑 星 の軌道で 太 陽 から最も離れる場所。近日点は 太 陽 に最も近い場所。
遠日点 近日点 公転周期 平均軌道速度
地 球 1.02 天文単位(AU) 0.98 天文単位(AU) 1.0 年 29.78 q/s
イトカワ 1.70 天文単位(AU) 0.95 天文単位(AU) 1.5 年 25.37 q/s
S ; 太 陽 E ; 地 球 I ; イトカワ M ;
★ 地 球の軌 道
地 球 は上図 みどり円 の軌 道を 時速 約 11 万q で公 転 一年365日で 一回 り します
その上、地球上表面速度 時速 約1700q で 1日 24時間で 一回 り、自 転 しています。
★ イトカワ の 軌 道
イトカワ は上図 青 円 の 軌 道を 時速 約 9 万q で公 転 1年半で 一回 り します。
はやぶさ は ロケット発射後 スイグバイ で イトカワ軌道 に乗り イトカワ を 追 跡 して
約 2 年 で 追 いつき ました。
★ 宇 宙 速 度
宇 宙 速 度 とは、宇 宙 で 各 種 慣 性 飛 行 を行うために
必要な 最小 初速度 の 大きさ をいう。
地 球 から水平に打ち出された砲 弾 は 重 力 に引かれて
地 表 に落下する。 ( A B )
第一宇宙速度 ( 7.9 q/s . 時速 2.8万 q/s )で打ちだされた場合は人工衛星となる ( C )
第二宇宙速度 ( 脱出速度 11 q/s .時速 4万 q )
地 球 の 重 力を 振り切る ために必要な 最小初速度
太 陽 を回る 人工惑星 になるためには 第二宇宙速度が必要
第三宇宙速度 ( 17 q/s . 時速 6万 q ) (E)
地 球 表 面 から慣性飛行をおこなって、太 陽 の重力を振り切るために必要な 最小初速度
★ スイングバイ ( Swing-by )
スイングバイ とは、天体の万有引力を利用して宇宙機の運動方向を変更する技術
天体の公転運動を利用 することで宇宙機を増 速あるいは 減 速 することができる。
スイングバイは燃 料に頼らず速度を変えることが可能なので、ロケットや探査機に搭載する
燃 料 の節 約になる。
★ イオンエンジン (マイクロ波放電式) 主推進エンジン
イオンエンジン で 推 進 イオンエンジン 原 理 図
〔 イオンエンジンの 原 理〕
キセノンガスにマイクロ波放電するとキセノンは(+)イオン化します。
図のように穴の沢山あいた(−)電 極が設けられているので キセノンイオン はこれに
向かって突進すめ。しかし 穴が沢山あるので殆どのイオンは 通 過 してしまう。
これがイオン 噴 射 です。
〔 中和器 の 働き 〕
穴のあいた (−) 電 極 を 通 過 した キセノン(+)イオン が
再び (−) 電 極 に戻されないように 中 和 器 から
電 子(−) を 放出して (+)イオンを 中 和してしまう。
★ 運 動 量 「イオンエンジン 」と 「 運 動 量 保 存 法 則 」
ロケット エンジン ロケット は 推進剤 と呼ばれる 科学物質 燃 焼 させて高 温 の ガスを
後ろ側 に 射 出 することで 推
力 を得ていまする。しかし、宇宙には
空気がないためあらかじめ 酸 素 を持っていきます。
ジェット エンジン ジェット機のエンジンでは、タービと呼ばれるプロペラを高速で回転させ
前方の空気を後方へ押しやったり、前方から吸い込んだ空気を正 縮 し
その正 縮 された空気を燃 焼させ、膨張した空気を後方に噴出させて
推 進 力 を 得ています。
イオン エンジン イオンエンジンは前述のように(+)イオンを後方に射出して推 力を得る
いずれも、ある物 質 を 後方に噴き出して 前向きの推 力を得る 推進原理 は同じです
〔 運 動 量を 取り上げた理 由 〕
ロケットエンジン、ジェットエンジン、イオンエンジン の推進力は運動量保存の法則に基づいていること
また、ロケット、ジェットエンジンのガス噴射速度は 3km/s に対して、イオンエンジンの(+)イオンの
噴射速度は 30km/s と 10倍 も大きい。
運 動 量 = 質 量 × 速 度 p = m(kg) ×
v(m/s)
宇宙機 が飛行するのに必要な 推進力 .運動量 を 仮に 30 s.m/s とすると
ロケットやジェットエンジンのガス噴射速度は3 kg/s なので 10 s の推進剤 が必要になる。
ところが、イオンエンジンの場合イオンの噴射速度が30km/s なので推進剤は 1 s ですみます
このように、イオンエンジンは 推進剤 が 軽 量 にできるので 機 体 を コンパクト
にできます。
さらに、宇宙では無重力のうえ空気抵抗もないので小さい推力でもイトカワに追いつくことができる。
イトカワ の 平均軌道速度 25 km/s はやぶさ の 軌道速度 35km/s]
〔角 運 動 量 〕 運 動 量 の モーメントを 表 す
半径 r において、速度 v で運動している質量 m の運動量を p 、
原 点 のまわりの角運動量 を L で 表 す と
L ≡ r × p= r × m .v = m .r × dr/dt
角 運 動 量 保 存の 法 則 r1 × m1 × v1 = r2 × m2 × v2
上右の四角いイラストは運動量保存則を証明する実験の小道具です。
糸の先端に 青● (m1 = 10 g) がついています、糸は中心の穴から下に貫通しています。
青 ● と 中心の穴 の 距 離 は (r1 = 10 p)
ここで、青 ● は (v1 = 1 回転/s) で 円 運 動 しております。
次に、糸を下に引いて 青 ● の 回転半径 が 半 分 の 5p (r2 = 5p) すると
青 ● の 回転速度 は ( 2 回転/s ) と 2 倍 に 速 く なります。
(r1 = 10) × (m1 = 10 ) × (v1 = 1/s) = (r2 = 5)×(m2 = 10)×(v2 = 2/s)
10 × 10 × 1 = 100 = 5 × 10 × 2
このように、回転半径を半分にすれば回転速度が2 倍となって青●の持つ 角運動量 は変わりません
〔 角 運 動 量 と フィギュヤー スケート〕
フィギュヤースケート では 綺 麗 な スピン 回 転 が多く見られますが
回転中 に 手 脚 を 広げたり 狭めたり して 回転半径 を変えることにより
回転スピードを変えております。 これも、角運動量 に関する 現 象 です。
★ 太 陽輻 射 圧
太 陽 輻 射 圧 とは、光 の 圧力 ( 光圧 )です。
太 陽 から飛んでくる光子 (Photon) が 太陽電池パネル や アンテナ など 探査機 の 表 面 に
衝突して発生する 力 です。その 力 はとても弱く大きさはだいたい電気推進の 1/100 ですが
ゲートポジション(イトカワ 地表より20q付近の所)で受ける イトカワの重力 に比べると
10倍以上 の大きさ があります。 イトオワ 着地のときの 速度制御をむづかしくします。
★ リアクション ホィール
レアクション ホィール とは ロケットや ジェットを噴射せずに宇宙機の姿勢を安定化させたり、
向きを変えたりする装置です。 円盤 の 回転する 力 によってコ マの姿勢が安定するような
原 理 で 宇宙機 の 姿 勢 を 制 御 します。 はやぶさ は これを 3 台 搭 載 しています。
★ 自 律 航 法
自 律 航 法は、周 囲 の 情 報 を入手、そこでもっとも 適 切 と 判 断 した
行 動 を 選 択 .実 行 する プログラム です。
周 囲 の 情 報 を 入 手 する 方 法
特に、はやぶさ が イトカワ に 接 近 して 着 地 .着 陸 するときの 行 動 プログラム
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