“ はやぶさ の 大冒険 の 旅 ” にはなんとも言えない ロマン を 感 じます。
この大事業はあらゆる分野の 知 識、物 理、化 学、数 学、天文学 等、 人類文明
の
すべてを 集 結 したもの のように思えます。
“ はやぶさ ” に関する 資 料 を集めたので Key Word 的 に並べて My HP に 載せ ました。
出 典 「 はやぶさ の 大 冒 険 」 山 根 一 真 著 中 心 に
N H K T V . 新 聞 .Internet Surfing .Wikipedia
.その他
★ “はやぶさ”が 宇宙 の 旅 をした 軌 跡 を下図に示します
● S は 太 陽 ○ は E 地 球 の 軌 道
○ I イトカワ の 軌 道 ○ M
上右図 は はやぶさ (小惑星探査機) ロケット 発 射(2003.5.9)
→ 地 球 スイングバイ (2004.5.19.) → 小惑星 イトカワ に 到 着 (2005 夏)
イトカワ の 遠 日 点 (イトカワの 軌道上 でイトカワが 太 陽 と一番遠くなる点)
距 離 1.7 天文単位 ≒ 2..54 億 q (149.598.000 q×1.7 = 254.316.600 q)
★ 地 球 スイングバイ( swing-by ) と 宇 宙 速 度
スイングバイ とは、天体の万有引力を利用して宇宙機の運動方向を変更する技術。
天体の公転運動利用 することで宇宙機を 増 速 あるいは 減 速 することができる。
スイングバイ は燃 料に頼らず速度を変えることが可能なので、ロケッツトや探査機に搭載する
燃 料 の 節 約 になる。
宇 宙 速 度 とは、宇宙で各種慣性飛行を行うために必要な最小初速度の
大きさをいう。
第一,第二,第三宇宙速度 に分けられる。
地 表 から水平に打ち出された 砲 弾 は重力に引かれて 地 表 に落下する (Α Β)
第一宇宙速度 ( 7 .9 q/s , 時速 2 ,.8 万 q )で打ち出された場合は 人工衛星 となる (C)
第二宇宙速度 ( 脱出速度 11 q/s . 時速 4 万 q )
地 球 の重力を振り切るために必要な最小初速度。
太 陽 を回る 人工惑星 になるためには第二宇宙速度が必要
第三宇宙速度 ( 17 q/s . 時速 6 万 q ) ( E )
地 球 表面から慣性飛行をおこなって、太 陽 の重力を振り切る ために必要な最小初速度
★ 小惑星探査機 “はやぶさ ” の 命 名
探査機 はやぶさ 猛 禽 ハヤブサ 隼 戦 闘 機 新幹線 はやぶさ
宇宙科学研究所 では 探査機の名前 は、関係者同士の協議によって 命名 されて来ました
「はやぶさ」 の他に 「ATOM」 という有力候補がありました。この名は的川泰宣を中心に組織票が
投じられていた案でした。一方 「はやぶさ」 は上杉邦憲と川口淳一郎によって提案され、
小惑星のサンプル採取が1秒ほどの着地と離陸の間に行われる様子をハヤブサに見立てた案でした
結局、探査機 の打ち上げの 日 に初めて 「 はやぶさ 」 という正式名称が発表されました
上に、画 像 4枚並べましたが、 猛 禽 ハヤブサ は 獲 物 を 捕 獲 する 素 早さ、
隼 戦 闘 機 は 糸川英夫博士 がロケット開発の前に 中島飛行機(群馬県.前橋市)で
この 飛 行 機 の 設 計 に従事していました。
新 幹 線 はやぶさ は 同 時期 に 東 京 ー 青 森 間 で 開 通 しました。
ちなもに、小惑星いとかわ探査 総 指 揮 をとった 川口淳一郎 は 青森県.弘前市出身
これらの はやぶさ は なぜか 赤 い 糸 で 結ばれているような気がしました。
★ 小惑星 “イトカワ ” の 命 名
ss
イトカワ 全長 約 500 m サンア゜ル 百分の一 ミリ の 微 粒 子 表 面 を 観 測 して着 地
イトカワ 地 表 の 地 名 候 補
宇宙科学研究所 は 米国 LINEAR(地球近傍小惑星探査 共同体)に日本のロケット開発の
父 . 糸川英夫の名前 を付けるよう 命 名 権 を持つ発見者の LINEAR に 依 頼 した。
LINEAR はこれを 承 認。 2003年8月6日 ITOKAWA と 命 名 された。
★ 探査機 「はやぶさ」の 構 造、搭載装置、主な 機 能
構 造 大きさ W × D × H = 1.5 × 1.5 × 2.0 m 質 量 510 s
ソーラーパネル 6 m
搭 載 装 置 と 主 な 機 能
◆ イオン エンジン μ10 (マイクロ波放 電式イオンエンジン) 主推進エンジン
◆ 推進剤タンク . 推進剤 キセノン 66 s
◆ リアクションホィール (機体の姿勢を維持する装置) フライホィールの一種
◆ 姿勢制御スラスター 12 基
◆ サンプルホーン イトカワ 地表面の 物 質 を 採取する 装 置
◆ マーカーボール イトカワ 地表に接近する際に地表との 距 離 を 観 測 しながら
降下して行く。 地 表 の 目 印 として使う。
◆ ソーラーパネル 電 源
◆ カメラ 可視分光撮像カメラ 、望遠光学航法カメラ、広角光学航法カメラ
◆ レーダー
◆ レーザー高度計
◆ 近赤外線分光器
◆ 蛍光×線スペクトロメータ
◆ 宇宙通信用アンテナ 3 基 バッテリーの消費電力を小さくするため使い分ける
高感度 アンテナ 情報量の大きい通信 消費電力が大きい
中感度 アンテナ 通常通信
低感度 アンテナ 情報量が少なく、急がないとき 消費電力が小さい
特に、はやぶさのバッテリー容量が少なくなったとき、消費電力を少なく
抑えるため必要最小限の単 文 とした。返信は Yes or No OK or NG 等
戦国時代 戦 場 の 武 将 が 妻 に出した手紙 “ おせん 泣かすな 馬 肥やせ ”
◆ コンピューター 至れり、 つくせり の お 利 口 さん
★ イオンエンジン (マイクロ波放電式) 主推進エンジン
イオンエンジン で 推 進 イオンエンジン 原 理 図
上左図はイオン化 した キセノン を 噴射しながら小惑星 イトカワを追いかけている。
右図 2つはイオンエンジンの 原理図です。
キセノンガス に マイクロ波放電 すると キセノン は +イオン 化 します。
図のように穴の沢山あいた − 電 極 が設けられているのでキセノンイオンはこれに
向かって突進する。しかし 穴が沢山あるので殆どのイオンは通過してしまう。
これがイオン噴射 です。推進力は 8mN/3.400sec 一円玉 一個 を持ち上げる力
こんな小さな推進力でも宇宙は無重力状態なので 小惑星イトカワ に追いつける。
★ イトカワ の サンプル 採集作業
図 AAA BBB CCC DDD EEE
図 ー AAA 近距離 レーザー高度計 を使いながら イトカワ の 地 面 に降下する。
4本のレーザー光 で 測 距、「 椅子の脚の原理 」 で 地 面 がどの程度
傾いているかを 認 識 する。
図 ー BBB イトカワ 地 表 に 接近中 の はやぶさ
図 ー CCC マーカーボール イトカワの地面の目印とする
物づくり で 超精密加工の裏方さんの活躍はいろいろありますが
お愛嬌のようなエピソードもありました。
イトカワは小惑星のため質量が小さく、重力 引力が殆どあません。
野球ボールのような目印を落下させても跳ね上がってしまう。
そこで、日本に古くからあるお手玉の原理を使って、袋の中に米粒か、
豆粒のようなものを入れた目印を作ったそうです。
イトカワに落下させたとき、 ぐズ〜 と着地
図 ー DDD サンプラーホーン イトカワ地表面の物質を収集する
イトカワの地表に着地した瞬間に弾丸を発射、舞い上がった物質を捕獲する
図 ー EEE サンプルカプセル 収集物質収納容器 サンア゛ルをこのカプセルに
封入して地球に持ち帰る。地球大気圏に再突入するときは大気との摩擦で
高熱にさらされる。「 ヒートシールド 」に守られて、3000度の熱をくぐりぬけて
無 事 地 球 表 面 に 着 地 した。
★ “はやぶさ ” ピンチ 音信不通 行方不明
イオンエンジン 4 基 ソーラーパネル リフクションホィール
「 はやぶさ 」 は 宇宙運行中 に次々 と 機器・装置 の 故 障 トラブル に 遭 遇
2005年7月31日には 3 基 あるリアクションホィール (機体の姿勢維持を担う) 1 基 が
故 障。 でも 2 基 あれば 姿 勢 コントロール は 可 能 であった。
2009年11月 イオンエンジン 4 基 (ABCD) 唯一生き残っていた・ D の 寿 命 がつき
「 はやぶさ 」 は、もは やこれまでかと 思わせた。
このように、推進エンジン 4基 全部失ったので機体の運行で加速も減速も
できなくなりました。その上、姿勢制御もでなくなったため地球へ向かう軌道修正は
不可能となった。 ソーラーパネルは太陽エネルギーを効率よく受け取るために
常に太陽に向くように自動制御されています。姿勢制御機能が失われたので
バッテリーはやがて消耗。命の綱の地球基地局との交信できなくなりました。
音信不通 の 行方不明 となってしまいました。 “ 宇 宙 の 迷 子”
ところが、奇跡的な出来事というか、お話 2つ
▼ 1 つ は、 バッテリー 充 電 の 回 復
“ はやぶさ ” は 宇宙まかせ の 飛 行をつづけているうちに 機 体 姿 勢 が
少しつづ変わり ソーラーパネル が 太 陽 に向くようになってきました。
従って、バッテリーの充電がはじまり、かすかな電波 で基地局に向け 送 信 できました。
基地局では祈るような気持ちで “ はやぶさ ” からの信号を監視、待ちつづけております。
2006年 2月 2日 待ちに、待った 天 からの、 いや 宇 宙 から の“ 贈 り 物 ” が
届きました。 上の 受信波形 雑 音 に交じった 1本 の 柱 「 はやぶさ 」 の 声 です。
これを見た 基地局 の スタッフ は 飛び上がるような 感 動 ・感 激 を 覚えた ことでしょう。
「 こはやぶさ 」 は “ 生きて い た ”
やがて、バッテリー充電 も 回 復 して 正 常 な 交 信 できるようになった。
★ 追 記 2015−11−22
はやぶさ が 方向制御装置 の 故 障 のため ソーラーパネルを太陽 に向けることができなくなった
やがて バッテリーは 枯渇 して通信不能 となった はやぶさ を失った技術陣 は 失 望
くれを 救 っ た の が プロジェクト リーダー の 川口淳一郎
川口 は いつかは はやぶさ の ソーラーパネル が 太 陽 に 向 く 時 があると 信じて 厳 密 に 計 算 した
その結果 60 % の 確 率 で 太 陽 に 向 くこと を 確 か め た
パネル が 太 陽 に 向 けば゛ はやぶさ から 信 号 が 来 る はずだ
これを 部 下 に 指 示 して はやぶさ の 捜 索 を 指 示
ところが 方向制御装置 リアクション スラスター (フライホィール) x y z 軸 全 部 壊 れ て いたました
イオンエンジン の 燃料噴射 で 方向制御 する 方 法 も あるが 4 個 の イオンエンジン A B C D とも 故 障 していた
イオンエンジン は 燃料噴射 と 中和装置 の働 き で 正 常 に 推 進 できる
幸いに A エンジン の 噴射装置 と B エンジン の 中和装置 が 生 き て いた
これを つないで 一つ の エンジン とする 仕 掛 け が 用 意 されていた ラッキー
さらに NEC 白川 健一 が 太陽光圧 を 利 用 することを 川 口 に 提 案 しました
太陽光圧 は 一平方 q 当たり 一 グラム の 圧 力 が ある という
▼ もう 1 つ は、 イオンエンジン の 修 復
「はやぶさ 」 の イオンエンジン は 写 真 に見るように 4 基 のイオンエンジン の
本体(スラスター) と それぞれ 45 度 上 にある 中 和 器 と ペァー になっている。
2009年11月 、唯 一 生き残っていた 「 イオンエンジン ・ D 」 の 寿 命 がつき
「 はやぶさ 」 は、もはや これまでかと 思わせた。
ところが 中和器 A と スラスター B を組み合わせることが可能な 「 しかけ 」 がしてあった
この、“ おまけ ” とも思われる 「 しかけ 」 機 器・ 故 障 時 の 修 復 策 の おかげ で
「 はやぶさ 」 は イオンエンジン を 修 復 することができました。
▼ “ はやぷ さ ” の 命 びろい についてい 補 足 説 明
まずは、バッテリーが 回 復 してきたため、命 の 綱 ともいえる 宇宙 通信 基地局 との交 信 が
可能になったひとである。 「 はやぶさ 」 からは 基 地 局 に 助けを求める。
これを受ける 基地局 では 「 はやぶさ 」 にたいして 機 器 修 復 に関する指示を 発 信 する
「 はやぶさ 」 は 人 間 の 頭 脳 を持ったような お 利 口 さんです。
故 障 個 所、故 障 内 容 を調べる 自 己 診 断 機 能 をそなえている。
その上、故 障 個 所 を 修 復する 自 己 修 復 機 能 まで持っております。
基地局 と 「 はやぶさ」 自 身 の 懸 命 の努力 の 結果 無 事 地 球 に 帰 還 できた
★ 小惑星探査機 〔 はやぶさ の 地 球 帰 還 〕
2010 年 6 月 13 日
ロケット 打ち上げから、7年間 60 億 q の 旅 を終え
地 球 大 気 圏 に 再 突 入
(南 オーストラリア ・ ウーメラ砂 漠 )
この ページ の Top へ
●●●@@@@♪♪♪★★★★★♪♪♪@@@@@♪♪♪★★★★★♪♪♪●●●
付 録 専 門 用 語 と 写 真
【 写 真 集 】
はやぶさ ロケット 発射基地 鹿児島県 内之浦
小惑星探査機 はやぶさ イトカワに着地 2003ー5ー6 ロケット 発射
ロケット 発射台 弾頭部に格納それたは やぶさ は 蝶 が羽化するに現れる
小惑星探査機 はやぶさ の 機体全面 には 各種装置 が フル装備されています
太陽 の周りを 飛 航 する、 地 球、 イトカワ、 はやぶさ
スイングバイ ( Swng by ) 天体の万有引力を利用して宇宙機の運動方向、加速、減速する技術
イオンエンジン で飛行する はやぶさ イオンエンジン の 原 理 図
イオンエンジン の 構造 キセノンガス は 放電 により (+) (-) イオン化 される
(+) イオンは後方にある (-)電極に向かって外部に放出される。これが はやぶさの推力となります。
イオンエンジン と ロケットエンジン の推進力
エンジンの推進力 = 推進剤の質量 * 射出速度 = 運動量
mi * vi = ml * vl
イオンエンジンのイオン射出速度は 30 km/s ロケットエンジンの燃焼ガス射出速度は 3 km/s
mi * 30km/s = ml * 3km/s mi = ml * 1/10
同じ推進力を得るのにイオンエンジンは推進剤の質量を 1/10 に軽減できる。 機体の軽量化 が可能
角 運 動 量 保存の法則 r1 * m1 * v1 = r2 * m2 * v2
フィギュァスケート の スピン で 両 腕 を水平に広げて 回転 しているとき
両腕を上に揃えてあげると 回転速度 が 増す ( 角運動量保存 )
探査機 はやぶさ の 命 名 猛 禽 ハオブサ 隼 戦 闘 機 新幹線 はやぶさ
宇宙 通信 ( 地球〜はやぶさ ) 長 野 佐久市 交信 信号 はやぶさ〜地 球
イトカワ着地時サンア゜ル採取 弾丸発射 失敗 はやぶさは何回かバウンドしたので砂を飛散している
地 球に帰還 地球大気圏に突入でカプセル分 離 オーストラリアの砂漠 に落下 1/100ミリの微粒子
ロケット 打ち上げ から、7 年 間 60 億 km の 旅 を 終え
地 球 大 気 圏 に 再 突 入
( 南 オーストラリア ウーメラ 砂 漠 )
この ページ の Top へ
H .24.2 s-12
はやぶさ の 大 冒 険 山根 真一 著 プロジェクト チーム に 密 着 な 取 材 を 続 け た 山根 真一
“ はやぶさ ” (探査機)は 2003年5月9日 鹿児島県 内之浦 宇宙空間観測所 より打ち上げられた。
イオンエンジン の 実証試験 を行いながら 2005 年 夏 アポロ群 の 小惑星イトカワ に 到 達 し、
その表面を詳しく 観 測 して サンプル採集 を試みた後、2010年6月13日、60億 q の 旅 を終え、
7 年 ぶりに 地 球 に 大気圏 再突入 した。
地 球 重力圏外 にある 天体の個体表面 に 着 陸 しての サンプルリターンは、 世界初 である。
はやぶさ の 大冒険
〔 小惑星 探査機 〕